今回は外壁のコーキングを補修しないで放置しておくと、どうなるかを解説していきます。
コーキングは建材同士のぶつかりを防ぐクッションの役割や、水の侵入を防ぐなど、建物の劣化を防ぐ大きな役割があります。
コーキングの劣化を放置しておくと、取り返しのつかない事態になる可能性もあります。
ここでは、コーキングの補修目安や費用の相場などをプロの目線でわかりやすく解説していきます。
【外壁アドバイザー】大屋敷竜二
塗装職人歴28年。中学卒業後、塗装業界に入り様々な会社で経験を積む。 塗装以外にも多能工として現在も修業中。
◎主に参加していた有名な現場:TDL・東京タワー・有名宿泊施設・戸建て・マンション等
Contents
コーキングとは?

コーキングとは、壁と壁のぶつかりを防ぐクッション材のことです。
コーキングという用語は「スキマを埋める」という意味で一般的に使われています。
英語の「Caulk(コーク)」が語源で直訳すると、「詰めものをする」という意味で使われており、そのままの意味でとらえると分かりやすいですね。
シーリングと表現されることもありますが、呼び名が違うだけで同じものと考えて大丈夫です。
上の写真でいうところの、濃いグレーの部分のことです。


コーキングが持つ役割

コーキングは建物全体を守るために非常に重要な役割を持ちます。
分かりやすく大まかにまとめると、
- ひび割れ防止、緩衝(かんしょう)
- 防水効果
- 外壁などの補修


ひび割れ防止・緩衝(かんしょう)
外壁は、見た目では確認できなくとも日々ダメージを受けています。
外の気温の温度差による膨張伸縮や、地震など数えればきりがありませんが、日が経つごとに劣化をしていきます。
コーキング材は日々の外壁の劣化を守る役割があります。
例えば、地震の揺れで考えると、コーキング材はゴムのように伸縮性があるため、柔軟に動きに対応できます。
そのおかげで外壁そのものが破損しないように、クッションの役割を果たしてくれるため、衝撃を吸収してくれるのです。

防水効果
コーキングは建物の内部に水分が入らないように、防水保護する役割も持ちます。
建物にとって、雨水などの水分は天敵です。
水分は建物を劣化させる大きな原因となり、コーキングがひび割れを起こすと建物の寿命を減らしてしまいます。

外壁等の補修
コーキングは外壁にひび割れが発生したときに、一部分を修正するためにスキマを埋める役割も持ちます。
一般的に日本の建物に使え割れている建物の素材は、サイディングやモルタル壁です。
【サイディング】
【モルタル壁】
これらの壁材を使用しているご家庭が多いと思います。
壁材が劣化したまま放っておくと、雨水の浸水や建物自体の倒壊など、危険にさらしている状態につながりますので、気になったら早めの補修をお勧めします。


コーキングの劣化を放置しておくとどうなる?

コーキングの役割の解説でも触れましたが、コーキングの劣化を放置しておくと、
建物に大きな影響を及ぼします。
ひび割れや汚れを放置しておくと、建物の耐久性が低下し、雨漏りの原因になってしまいます。
また、雨漏りによる水の侵入は腐食の原因となり、外壁が痛みます。
その結果、カビやシロアリを発生させることにより、家の劣化へと大きく繋がります。


コーキングの劣化診断
では、コーキングの劣化具合ごとの様子を写真で見てみましょう。
健全な状態

新築時や改修後すぐの状態。建物として、かなり健康な状態。
劣化初期症状、ひび割れ

新築時や改修後3年を経過するあたりから見られる。まだ補修は大丈夫だが、劣化しているという意識は持った方がいい。
劣化後期破断悪化

紫外線に大量にさらされる南面等に良く見られる。早い所だと10年たたずに見られる。すぐにでも補修工事が必要。
劣化末期欠損

漏水がいつ起きてもおかしくない状況。15年前後から見られる場合が多い。一日でも早く、補修工事を検討しないと安全が脅かされる。
サイディングの壁💁♂️
塗装前にコーキングの打ち替え🏋🏾✨#サイディング#外壁#コーキング#シーリング#雨漏り#ひび割れ pic.twitter.com/zFYIuCkANs— リーフ株式会社【屋根と外壁塗装✨】 (@leeeeafofficial) March 16, 2023

コーキング補修の費用相場
【コーキングの打ち替え工事にかかる費用】
工事費用 |
---|
約800~1,200円/m(既存コーキングの撤去費込) |
足場の設置費用:約20~30万円 (※二階部分など、高所作業が伴う場合) |
二階建ての家の方は、足場込みで費用を考えると良いですね。
大体ご家庭のコーキングの長さを測れば、おのずと見積は計算できるかと思います。
上記の表の計算方法より大幅に上回る業者には注意しましょう。
コーキング補修は基本的に打ち替え工事という工法で行います。
打ち替え工事とは、既存の傷んでいるコーキングを撤去して新しいコーキングを充填する方法です。
たまに増し打ち(既存のコーキングの上にコーキングを塗る)という工法を紹介しているサイトもありますが、増し打ちは平成初期ごろまでで現代ではほとんど行われておりません。

そのため、基本打ち替え工事を行うと思えば大丈夫です。
打ち替えたコーキングは大体7~10年持ちます。お住まいの地域にもよりますが、気候条件次第では12~15年程度持つこともあります。

おはようございます☀
9月に入りましたね!
学生の皆さんは、新学期スタート!🏫気持ち新たに本日も頑張りましょう☺とある現場では、コンクリートの打継目地のシーリング工事を行いました!打継目地はコンクリートのひび割れを防ぐために、設けられる溝のことを言いますよ☝#企業公式つぶやき部 pic.twitter.com/ZBnYfEZSpr
— 株式会社 中部レキセイ (@chubu_rekisei) September 1, 2023

コーキングが劣化したら早めの補修がおすすめ
さいごに再度お伝えしますが、コーキングのひび割れや汚れを放置しておくと、建物の耐久性が低下し、雨漏りの原因になってしまいます。
また、雨漏りによる水の侵入は腐食の原因となり、外壁が痛みます。
その結果、カビやシロアリを発生させることにより、家の劣化へと大きく繋がります。
ご家庭の安全を守るためにも、とにかく早めの補修がオススメです。取返しのつかない状態になる前に、早めに点検をしてもらいましょう。
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