今回は、大切な我が家の外壁塗装で後悔しない為の予備知識を解説していきます。
外壁塗装をする際に重要になるのが、業者選びや塗料、金額の相場をしっかり把握していることです。
上記をしっかりと理解していないと、「仕上がりが汚い。。」「思っていた色と違う。。」「他の業者と比べて値段が高かった。。」
等と、完成してから後悔してしまう事も多々あります。
実際、町の戸建ての外装を見ても、仕上がりの完成度が低いお宅はたくさんあります。
今後、外壁塗装やリフォームを考えているお施主様に向けて、
後悔や失敗しない為の基礎知識として色々お伝えさせていただければと思います。
【外壁アドバイザー】大屋敷竜二
塗装職人歴28年。中学卒業後、塗装業界に入り様々な会社で経験を積む。 塗装以外にも多能工として現在も修業中。
◎主に参加していた有名な現場:TDL・東京タワー・有名宿泊施設・戸建て・マンション等
Contents
業者選定をする前に

ご自宅を塗装工事する主なきっかけとして、
- 近隣の家が塗装工事をおこなったことによるプレッシャー
- 知人に塗装工事業者が居て塗らせてほしいと持ち掛けられる
- ビラ・チラシ・訪問営業
- 税金対策
- 建物の一部の劣化や異変に気付く
などがあると思います。
大雑把にあげるとこの様なきっかけで行動に移す方が大半なのではないでしょうか。
しかしながら必ずしも適正な時期・適正な価格・適正な塗料を使ってご自宅をリフレッシュ出来るとは限りません。
ですので、ここでお伝えしたい事は
あなたの希望(夢)を親身になって実現してくれる業者を時間をかけてでも探す。
これが大切かと思います。
外壁塗装は一生においても何十回と起こるイベントではありません。
生涯をあずけることにもつながるのが家ですから、妥協せず探していくべきかと思います。

業者を選ぶ際のポイント

業者を選ぶという事は少なくとも我が家の外観を10年近く、またはそれ以上の期間をその業者に任せるという事になります。
つまり、前項でも話しましたが、あなたの希望や夢を沿った内容であれば、満足して心身共に過ごせると思います。
ですが、大した業者選びもせず、意思の疎通を怠ってしまうと思わぬことが起きてしまうかもしれません。
来月、2回目の外壁塗り替えなのに色が決まらない。
12年前、アイボリー系を選んだつもりがすごくババくさい色になって後悔😭今回はマロン系かグレー系に。
今日は真剣に近所の住宅街を見て回った🏘🚶♀️🚶♂️ pic.twitter.com/S3N5LV2Xi7— mya-ko (@hori_yell2) August 28, 2022
SNSをザっとみるだけでも色でのお悩みがかなり多いように思えます。
お宅に足場が仮設状態だと分かりにくいかもしれませんが、いざ解体して全貌が明らかになると…と、そんな事になってしまうかもしれません。
なかには、工事後すぐ不具合を確認した…などの職人として恥ずかしい工事を平気で行う業者も居ます。
結局は工事するのは職人です。営業に来た人ではない事が多いと思います。
ですが、会話やあなたの希望を親身になって聞き、提案してくる営業だからこそ目指した場所の着地点は限りなく近くなると思います。

失敗しない業者選びとは?二つのポイント
塗装工事業者と言っても星の数ほどいます。技術や経験も千差万別です。
選び方の一つに人となり…も大切かと思いますが、やはり職人としてのノウハウやスキルが必要不可欠です。
それを踏まえて失敗しない業者選びの二つのポイントをご紹介します。
ポイント① ご自宅と業者の距離はなるべく近い方がいい
これ、結構大事なんです。ここでの距離は物理的な距離を意味します。
距離を理由に対応が遅くなる業者がかなり多いんです。
「今日はこれからですと暗くなってしまうので…」
「色々立て込んでて今すぐには…」
なんて言われたら腹が立ちませんか?
他にも、距離が遠いと見積金額の一部に経費としてのしかかってきたりもします。
その結果、工期が伸びていつまでもご自宅に足場がかかっている状態が続くなんてこともあり得ます。
そのため、「距離」は業者選びの1つとして、非常に重要なピースなのです。
ポイント② その業者が何をウリにしているかを把握する
一口に塗装業者と言っても色々な意味で千差万別です。その業者が何をウリにしているか、何を得意としているが大切です。
具体的な例としては、
- カラーショミレーションや塗り板の用意が出来るか:限りなく色の不安がなくなる
- あなたの要望にすぐ対応出来る幅広いスキルがあるか:いざというときの方向転換、わからない事への提案等、安心して進められる
- 工事前、工事中、工事後にしっかりとしたマニュアルがあるか:近隣の方への配慮、工程表、施工後のビフォーアフター、アフターフォローまでしっかりしている
などがあります。
これらの例を実際に業者に質問してみるとよいかもしれません。もしウリがなければその業者に任せるのは危ないかもしれません。
ポイント①:ご自宅と業者の距離はなるべく近い方がいい
ポイント②その業者が何をウリにしているかを把握する

塗料の種類

塗料の種類は沢山あります。正直な所、塗装業者で全ての塗料を把握している業者は数える程度です。
各業者には材料問屋と提携し、色々な要素からメーカーや塗料を選び使用しています。全てのメーカー品を取り扱うのは現実的ではない為です。
しかしながら、どの塗料メーカーでも根本は変わらないのです。ほんの一部ですが紹介します。
仕上げ塗料の一例およびメーカーの代表的な塗料 | SK化研 | 日本ペイント | ロックペイント |
ウレタン塗料 メリット:バランスがいい デメリット:耐久性が他よりも劣る為、外観維持には不向き 目安4~6年 | クリーンマイルドウレタン | ファインウレタンUV | ビニロックウレタン |
シリコン塗料 メリット:価格と機能のバランスが良く、近年最もポピュラー デメリット:ウレタン塗料よりも耐久性はあるがメンテナンスのスパンは短い 目安6~9年 | 水性セラミシリコン | 水性シリコンセラUV | ハイパービルロックセラ |
フッ素 メリット:耐久性をに優れ、艶の維持力、耐久性は最高クラス。 デメリット:コストが高く、塗膜が硬い為ひび割れしやすい。 目安15年~ | クリーンマイルドフッソ | ファインフッソ | サンフロンUV |
無機 メリット:長期に渡り状態を維持する。 デメリット:鉱物を含む為塗膜がかなり硬く、モルタル壁等は不向き 目安15年~ | エスケープレミアム無機 | パーフェクトセラミックトップ | ロックハイパーリアクターコート |
正直、どのメーカーも一長一短ではあります。
ですが、その分常時使用している塗料に関してはプロですので、メーカーを指定するというよりは塗料の種類の相談が好ましいです。
同ジャンルでも一液で完結するものから決められた配合率で混ぜて使う塗料などがある為です。
業者ごとの使い慣れているメーカーであれば問題ないと思いますが、指定したメーカーと縁がない業者だと配合率や保管、塗装方法によって色ムラ・耐久性の低下等が引き起こされる可能性があります。

実際に塗装する色の選び方

さて、業者や塗料に対する知識を元に、いざ契約して外壁の色はどうしたものか…。
好きな色はあれど外壁に反映したらどうなるってしまうのか。安い買い物ではないし慎重にいきたい。
でもイメージが沸かない…。どうしよう、眠れない…なんて事はあまりないかもしれませんが、いくらいい塗料、いい業者を選べても色で不満があれば論争の火種となりかねません。
そこで色に悩みにくくなるサポートアイテムを紹介します。
色見本帳

色見本帳とは、その名のとおり、たくさんの色の見本が載っている冊子です。
各メーカーもオリジナルカラーとして出してはいますが、
一般的にポピュラーなのは日本塗料工業会(通称:日塗工)から出ている20cm程度の短冊をまとめた様な手帳です。
だいたい600色程の掲載があります。

カラーシュミレーション

カラーシュミレーションも、読んで字のごとく色の配色シュミレートするツールです。
導入は高額な為、意外と所有している業者は少ないかもしれません。メーカー委託も出来ますが、完成までに膨大な時間がかかる為、現実的ではありません。
万能に思えるツールですが、プリンターでの印刷で表示されますので実際の艶や陰影等は反映しきれない等のデメリットがあります。あくまでシュミレーションですね。
塗り板
A4サイズの板に希望の色を塗装し乾燥させたもので、実際の外壁にあてて、比較検討するためのアイテムです。
基本的には実際外壁に使用する予定の塗料を使用して作成しますし、丁寧な業者は対応可能は外壁のパターンであればその柄を模した板に塗装する場合もありイメージが沸きやすいです。
施工金額について

一概に金額の相場といっても、その家の外壁の面積などによって値段は変わってきますし、これといった基準はありません。
ただ、見積りに関しては業者ごとに値段が違うなんてことは多々あります。
なぜ金額が変わるのか?どうしたらお得にできるのか?を解説していきます。

業者ごとに見積金額が違う5つの理由
業者ごとに見積が異なる原因として、主に挙げられるのが以下の5つです。
- 交通費等の経費
- 塗料の種類
- 元請け・紹介サイト等の仲介料
- 見積内容の差異
- 自社施工ではなく下請けに仕事を流すため

ご自宅と業者間に距離があれば移動時間・燃料などの経費がかかる為に上乗せされるケースが多いです。
塗料は種類によって値段に雲泥の差があります。事前に相談がなければ業者側が使い慣れてる塗料、利益が出やすい塗料を使用した見積になる為、値段があがりやすいです。
紹介サイトがあれば紹介料や仲介手数料を上乗せした見積を提示しなければならない為、値段があがります。
業者の経営理念や業者ごとの見積担当によって差異が出ます。折角ご依頼いただけるのであれば全て綺麗にして満足していただきたい…。または受注出来なければ意味がない。おおまかな修繕箇所だけで先ずは受注する為に付帯物は除き額面を安く…。等姑息な業者も居るのも事実
仲介料と似てはいるものの、元受け業者としての取り分、下請けに仕事を流すための取り分を確保する為差が出てきます。自社施工をうたいつつ実は…なんて業者も居ます。
これらのポイントに当てはまるのか当てはまらないのか。
業者選びをしていく中で、会社によって差は出てくると思います。
なので、いくつかの業者に見積もってもらう中で予算にあった会社を選ぶと良いです。
ただし、気を付けてほしいのが会社同士で金額の安さを競わせてしまうと、塗料のクオリティの低下や工期の短縮など、結果的に完成度が低くなってしまう恐れもあるので、やりすぎには注意しましょう。

まとめ
いかがだったでしょうか。
外壁塗装はおうちの顔になります。これから10年近くその色と付き合っていくことになるので、何度もこの記事を見返して、業者選びを検討することを強くお勧めします。
コメントを残す