今回は時代と共に進化を遂げてきたサイディングについて解説していきたいと思います。
そもそもサイディングとはなんなのか?メンテナンスとは何をすればいいのか?
この記事を読めばすべて解決する事間違いなしです。
【外壁アドバイザー】大屋敷竜二
塗装職人歴28年。中学卒業後、塗装業界に入り様々な会社で経験を積む。 塗装以外にも多能工として現在も修業中。
◎主に参加していた有名な現場:TDL・東京タワー・有名宿泊施設・戸建て・マンション等
Contents
そもそもメンテナンスフリーって?

住宅のメンテナンスフリーとは、長期間メンテナンスの必要がない住宅のことを指します。
一般的には、木造住宅の寿命は30~80年程度、鉄筋構造・鉄骨コンクリート造の寿命は30年~90年程度が目安とされています。老朽化が見られてくると、リフォームや建て替えを行うことになります。
しかし、使用する素材によっては老朽化までの時間が長くなったり、メンテナンスをする場合でも簡単で費用をあまりかけなくても済んだりすることもあります。
例えば、屋根に防水性・耐久性・防火性・柔軟性に優れている素材を使う場合や、外壁に弾力性に富み、衝撃やヒビに強く、光触媒効果があって汚れにくい素材を使う場合、メンテナンスを行う間隔を延ばすことができます。


サイディングとは?




サイディングとは板状の外壁素材の一種です。
セメント質と繊維質を主な原料とした外壁材で、壁に貼って使用します。
建物に合わせてサイディングボードを貼りつけ、シーリング材でつないでいきます。
以前は外壁と言えばモルタルが主流でしたが、火には強かったりしましたが施工時間や費用がかかる事やひび(クラック)が入りやすいというデメリットもありました。
サイディングの外壁は、火に強く施工時間もコストもかからず、軽量で耐久性も高いと多くのメリットあります。
デメリットといえば熱を吸収しやすい事と、シーリング材の劣化が目立つ事です。
外壁の話し。
塗装屋やリフォーム業者は塗装サイクル最低でも10年に1回はと云うし、コーキング劣化して目視で穴でも在れば雨水侵入して居るだろうと素人でも理解して塗装をする算段をするだろう。
まぁ、間違えでも無い方策だが真実は少し違う。
図を見ると判る様に、サイディングの内側には pic.twitter.com/ZPdHRPKMGR
— いしパグ. (@04tochi) August 2, 2023
直射日光が当たる面だけ、外壁のコーキングが割れてしまい、水が侵入するようになってしまいました💦私の経験則では、こうなるとサイディングの劣化が急激に進行して、割れてしまうようなこともあったので、職人さんにコーキングの打ち替えだけ先行するようにお願いしました。外壁塗装は来年を予定🥸 pic.twitter.com/7Wev2cuzj2
— モーガン@不動産投資家 (@tsukubanosorani) August 2, 2023

サイディングの寿命はどれくらい?

サイディングの寿命は約40年と言われています。
ですが、これは定期的なメンテナンスを行った場合の寿命でもあります。
メンテナンス周期一覧表
![予定表 カレンダー 暦 スケジュール イラスト素材 [ 1523064 ] - フォトライブラリー photolibrary](https://www.photolibrary.jp/mhd8/img216/450-2011080620574723564.jpg)
各サイディングのメンテナンス周期を表にしてみました。
メンテナンス時期の目安 | 特徴・その他 | |
窯業系サイディング | 7年~10年周期 | ・セメントと繊維質が主原料 ・日本で主流のサイディング ・主流の為デザインが豊富 |
金属系サイディング | 10年~15年周期 | ・金属を成形・加工し、断熱材で裏打ちしたもの ・金属の質感を活かした見た目 ・重量が軽い、建物への負担が少ない ・サビに注意が必要 |
木質系サイディング | 8年~10年周期 | ・天然木・合板などの木材を主材 ・断熱性に優れ、環境にも優しい素材 ・早めのメンテナンスが必要 |
樹脂系サイディング | 10年~20年周期 | ・塩化ビニル樹脂(プラスチック)が主原料 ・アメリカ・カナダで主流の素材 ・雨水や塩害に強い ・紫外線に弱い ・塗料の選別が難しい |

窯業系サイディングのメンテナンス周期

窯業系(ようぎょうけい)サイディングは最も普及しているタイプで、
しかし、セメントには吸水性がないため、塗膜が劣化すると雨が染み込みやすいく放置してしまうと見るも無残な状況になってしまいます。
塗料や表面が劣化してくる7年~10年周期でメンテナンスをおすすめします。
金属系サイディングのメンテナンス周期

金属を成形・加工し、断熱材で裏打ちしたものが金属系サイディングといい、金属の質感を生かしてひんやりとしたイメージを感じる方も居るかもしれません。
また、重量も窯業系と比べるとかなり軽いので、建物への負担は少なくなります。
窯業系サイディングに比べるとメンテナンス周期は長く、ひび割れや水の染み込み等の不安要素はほとんど無く、10年~15年が目安です。
ただし、金属なのでサビなどが発生することがあります。
新築時や改修時の施工で傷が付いた部分が錆初めの部分だったりする事例もあります。
木質系サイディングのメンテナンス周期

木材を主に原料とする木質系サイディングは木の質感があり断熱性にも優れていますが、湿度が高いところは苦手としますので、空気の通りにくい場所や湿度が平均して高めの地域等注意が必要です。
メンテナンス期間は8年~10年です。
木質系サイディングは天然木や合板を使っていますので、少し早いかも?位のスパンでメンテナンスをすると綺麗な状態を保てます。

樹脂系サイディングのメンテナンス周期

樹脂系サイディングは日本ではあまり普及していません。塩化ビニル主原料としていて雨や塩害に強く色褪せもあまりありません。
樹脂系サイディングは優れた耐久性がありますが、紫外線に弱いため、紫外線を遮る塗料を使った塗装が必要となるでしょう。
メンテナンス期間も10年~20年、30年保証のものもあるなどと長いですが、施工時の費用は高額になります。
樹脂系サイディングは普通の塗料で塗ってしまうと早晩剝れてしまいます。
逆に一般的な窯業系サイディングには塗装出来ない下地塗材を塗装する事で、不具合は解消できますが、下地塗材が結構高額で臭気も凄いので注意が必要です。
また、乾燥時間もかなり早いので職人の技術によっては色ムラになります。
外壁サイディングの点検方法

外壁サイディングの点検方法について説明します。
外壁の点検は、建物の外観を保護し、劣化やダメージを未然に防ぐために必要な作業です。
サイディングの損傷は、見た目だけでなく、構造上の問題を引き起こすこともあるため、定期的な点検が必要です。
視覚的な確認
サイディングを含む建物の点検はまず目で見て劣化箇所をチェックすることが大切です。
コケやカビの発生が酷い場所はないか、ひび割れ、剥がれ、変色などがないかを確認します。
地面から確認中に高い場所に違和感がある場合、危険な作業になりますので無理はせず、業者に相談してみるのもいいかもしれません。


感触による点検
実際に目で見て違和感がある場所に触れてみましょう。
実は意外とバカにならない点検方法なのです。
例えば、触らないと普通ではチョーキング(白亜化現象・粉化)が起きている事は気づきにくいですし、一見なんともなくても触ってみたら柔らかい…?なんても事もたまにあるのです。
何度も言いますが、高所の確認は最大の注意を払い無理をしないようにしましょう。



専門業者による点検

外壁の点検は専門の知識と技術が必要な場合があるため、外壁診断のプロフェッショナルに依頼することも視野にいれてみましょう。
専門業者は、培ってきた知識と技術を用いて詳細な調査を行います。
点検した箇所は、写真に撮って記録しておくのもいいでしょう。次回の点検時に前回との比較が容易になります。
また、外壁の劣化は季節によって異なる場合があるため、梅雨時などの湿度が高い時期や真夏日、冬季なども考慮して点検すると良いでしょう。
外壁の点検は高所作業になることもあるため、転落防止具などの安全装備を着用し、慎重に作業を行う必要があります。
外壁の劣化やダメージを早期に発見し、必要に応じて修復作業を行うことが大切です。
定期的な点検により、外壁を長持ちさせ、建物の価値を保つことができますし、住んでいても気持ちのいいものです。
外壁塗装工事完成後の外観。
遮光で見るとやはり剥離跡がみえるけど、全体的にかなり補修してもらって大満足。
雨漏りする前にやっときゃよかったなあ。
これであと10年は住める。 pic.twitter.com/Rb06umImpw— M平 (@shohei904gg) April 11, 2024
自分で出来るメンテナンスは?

サイディングのメンテナンスは専門業者に依頼することが一般的ではありますが、基本的な清掃や小規模な修理などは自分で行うことができます。
ですが、補修などのDIYはあくまでDIYですので、クオリティや耐久度には不安要素があります。
清掃
サイディングのメンテナンスの基本は定期的な清掃がオススメです。
コケ等の汚れが付着することで外壁の劣化が進むことの原因になるため、水道水と中性洗剤を使用して、やわらかいスポンジで汚れを拭き取るとよいでしょう。洗剤はしっかりと流しきる事が大切です。
ですが力加減には注意が必要です。
高圧洗浄機の使用も効果的です。過度に押し付けず、トルネードを使わないようにして家庭用の高圧洗浄機を使ってみましょう。ですが力加減には注意が必要です。

傷や亀裂の修理
小さな傷や亀裂なども自分で修理できることは出来ます。状況にもよりますが、難易度はグンと高くなります。
ホームセンター等で販売されている専用の補修材を使って、亀裂や穴を埋めることができます。
しかし、パテであれば押さえ方で余計なパテが付いたまま固まってボソボソになってしまいますし、コーキングであればならしきれなくてぐちゃぐちゃに…。
やってみて後悔なんてしたくないですよね。
特に目に付く場所の不具合は専門業者への依頼してみたほうがいいでしょう。
DIY大好きマンな人なら大丈夫かもしれませんが、節約意識でやると後悔するくらい労力かかります笑
近年では壁のメンテが安く済むタイプの外壁もありますし、ハウスメーカーさんに問い合わせるのが吉と思います🙆♀️— Ren (@Ladoce_Helesta) March 30, 2024
サイディングのメンテナンスを自分で行う場合は、適切な工具と材料、そして作業の方法を理解する事が大切です。
間違った方法で行うとサイディングを傷つけてしまって悪化させたり、見た目が納得いかないこともあるため、不安な場合は専門業者に相談することも重要です。
清掃、簡単な点検などを定期的に行うことで、サイディングの寿命を延ばし、美しい外観を保つことにもつながります。
しかし、専門的な知識と技術が必要な作業は、専門業者に依頼することが賢明でしょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
サイディングは主流な外壁材であり、多種多様なデザインで素材ごとのメリット・デメリットがあります。
この記事で夢の新築、リフォーム時の参考になれれば幸いです。
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