外壁塗装のシリコン塗料とは?最もポピュラーな塗料のメリット・デメリットも徹底解説!

今回は最もポピュラーなシリコン樹脂塗料について解説していきます。

機能性や耐久性に優れているだけでなく塗料自体も手軽な価格が特徴的で、外壁以外にも屋根塗装にも使われることもあります。

気候の変化への対応力や汚れを弾く効果も抜群で、外壁塗装では定番の塗料です。

 

外壁アドバイザー 大屋敷
外壁アドバイザー 大屋敷
それでは今回はシリコン塗料についていってみましょう!

 

 

この記事を書いた人

【外壁アドバイザー】大屋敷竜二
塗装
職人歴28年。中学卒業後、塗装業界に入り様々な会社で経験を積む。 塗装以外にも多能工として現在も修業中。

◎主に参加していた有名な現場:TDL・東京タワー・有名宿泊施設・戸建て・マンション等

 

 

シリコン塗料の特徴は?

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シリコン塗料とは、シリコン系・アクリルシリコン系の合成樹脂を主成分とした塗料のことを指します。

また、アクリルシリコン塗料という言葉も聞いたことがあるかもしれませんが、ほとんどの塗料メーカーでアクリルシリコン塗料のことを略してシリコン塗料として販売しているので、同じ分類になります。

よく似た名称で、アクリル塗料というものがありますが、こちらはアクリル樹脂を主材料とした塗料で、シリコン塗料とは別のものです。

アクリル塗料は寿命が短いことから、外壁や屋根に使用されることは滅多にありません。

外壁アドバイザー 大屋敷
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私が見習いで業界に入った時はアクリル塗料やウレタン塗料が主流。シリコン塗料が流行始めたのはざっくり15年位前からかな~

 

 

シリコン塗料のメリット

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汚れに比較的強く、耐久性も高い

シリコン塗料は湿気を通しやすいため、塗装膜が剥がれにくくカビや藻が発生しにくいという特徴があります。

内部結露を防止する効果もあるため、結露対策としてシリコン塗料を採用する方も多く見られます。

また、たいていのシリコン塗料には、セラミック成分も配合されています。

セラミックが配合されたシリコン塗料で塗装した外壁や屋根は、汚れがつきにくく断熱性や遮熱性が高いといった利点があります。

 

熱に強い

 

シリコン塗料は熱に強く、高温の太陽熱を受けても変化しづらい性質を持っています。また、光沢保持率も高いため、艶が長持ちします。塗装をしたばかりの綺麗な輝きが長く続くのもメリットです。
塗料の種類次第にはなりますが、熱に強い種類のものだと600℃前後まで耐えられる塗料も存在します。

 

耐水性が高い

シリコン塗料 塗料図鑑 シリコン塗料の特徴・種類 小林塗装(1/20)

耐水性が高いので、湿気や雨による外壁材の劣化を抑える効果が期待できます。

塗料バリエーションが豊富

 

シリコン塗料はポピュラーで人気の塗料です。また、各塗料メーカーの主力商品でもあるため、商品のラインナップが豊富にあります。

商品のラインナップが多ければ多いほど、希望のものを見つけられる確率が高くなります。

豊富なカラーバリエーションや価格帯、好みの性能などからあなたに合った商品を多くの選択肢から選ぶことができるのも、シリコン塗料のメリットです。

 

え、めっちゃいい塗料じゃん!
ねこかん
ねこかん

 

外壁アドバイザー 大屋敷
外壁アドバイザー 大屋敷
と思うでしょ?ここからはデメリットについて説明するよ!

 

シリコン塗料のデメリット

 

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どんな塗料にも同様に言えることですが、シリコン塗料にもデメリットはあります。
まず、比較的安価なアクリル塗料やウレタン塗料と比べると価格が高く感じるでしょう。

ただし、その分耐久性は高く長持ちしますから、コストパフォーマンスの面から見れば満足される方が多いです。

耐用年数が短い

 

近年、シリコン塗料よりも長持ち=高耐久をかかげる塗料が出てきています。

それはフッ素と無機です。しかしながらシリコン樹脂は上記のようなメリットが多数あります。

 

ひび割れしやすい

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シリコン塗料は塗膜部分が硬く剥がれにくいというメリットがある一方、ウレタンなどの塗料に比べると弾性が低いのです。

地震や外部からの衝撃で外壁がひび割れした場合に追従できず、シリコンの塗膜も一緒に割れてしまう事が多いです。

ただし、モルタルやコンクリートの外壁の場合は、弾力性のある「弾性塗料」を使用すれば問題ないです。

どのような外壁でも、それぞれに合った塗料を把握している塗装業者と相談し、適した製品を選ぶことが大切です。

 

 

とっておきネタ

サイディングの外壁には弾性塗料は使用しないほうがいいとされています。サイディングはモルタルに比べて熱を貯めやすく、夏場は太陽光の熱によって表面温度が約80℃近くになるために弾性塗料が柔らかくなり、膨らんだりフクレたりする劣化現象を引き起こします。

膨れた塗膜は下地の外壁に密着していないため、周りの塗膜の剥がれや破れの原因にもなります。また、サイディングの目地部分にはシーリングが使われていますが、弾性塗料では目地の動きには追従できないため塗膜の割れにつながる可能性もあります。

 

 

 

実際に私が現調時に発見したフクレ

 

重ね塗りには不向き

シリコン塗料は、完全に乾燥すると強固な塗膜を形成する為、重ね塗りをする際に塗料を弾く可能性があります。再び塗り替えをしたいとなった際に、塗膜の密着が悪くなってしまう事があります。

しかし、シリコン塗料と相性が良い下地材を使えば、充分綺麗に塗装することができます。

リフォームする際には、シリコン塗料の特性を理解している塗装業者に施工を依頼しましょう。

 

 

外壁アドバイザー 大屋敷
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余程悪徳業者でもない限り一度塗装したら5.6年で…。なんてことはないだろうし神経質になりすぎないようにね!

 

 

結論

シリコン塗料よりも安価なウレタン塗料と比べると耐用年数は長く、一方、シリコン塗料より高価なフッ素・無機塗料などと比べると耐用年数は劣ります。

ですが、フッ素や無機塗料とは価格が2~5倍の開きがあります。

したがって、数ある塗料のなかでも「コスト・耐用年数」がバランス良く全体的に中間的存在となりコストパフォーマンスがよいと選ばれることが多いのです。

 

 

シリコン塗料を使用するのに適した場所

 

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高い耐候性や低汚染性を持つシリコン塗料ですが、 我が家のどこに部位に使用すれば良いのでしょうか。

どこでもなんでもシリコンいけます!なんて業者は信用できません。

 

おすすめは外壁

 

 

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メリット・デメリットでお話しましたが、シリコン塗料は汚れが付着しにくい低汚染性を持つ塗料です。

そのため、汚れが最も目立ちやすい外壁に使用するのがおすすめです。

ただし、外壁にシリコン塗料を使うのであれば、付帯部もシリコン塗料を使うことをおすすめします。

建物の塗り替えを行う際は、屋根、外壁、付帯部など全て同じタイミングで塗り替えたいところですよね。

もし、外壁にシリコン塗料を使ったのに、付帯部にはウレタン塗料を使用するなど別の塗料を使用すると、耐用年数の短いウレタン塗料を使用した付帯部の方が先に劣化してしまいます。

そうなると、次に塗り替えするタイミングがずれてしまう事になってしまい、余計に費用がかかる可能性があります。

以上の理由からも、外壁にシリコン塗料を使用する場合は付帯部にもシリコン塗料を使用することをおすすめします。

 

外壁アドバイザー 大屋敷
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でも実際は、付帯物の性質も違うしそこまで考えなくてもいいかな!

 

 

 

屋根にもおすすめなシリコン塗料

 

 

屋根は外壁よりも紫外線や雨が直接当たるなど、自然環境による影響を受けやすい部位です。

そのため、屋根に塗布した塗料は、外壁よりも早く劣化してしまいます。

そこで、屋根にシリコン塗料を使用する場合、耐用年数が7〜10年の一般的なシリコン塗料ではなく、耐用年数が15年以上ある高耐久のシリコン塗料を使用することをおすすめします。

 

外壁塗装の費用について

 

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ほとんどの外壁材は、定期的な周期で塗装メンテナンスをしなければなりません。

ただ、耐用年数の短いアクリル塗料やウレタン塗料で塗装をすると当然、塗膜の劣化が早いため、次の塗り替え時期も早くやってきてしまいます。

紫外線や雨風の影響など環境によっても異なりますが、アクリル塗料やウレタン塗料と比べると、シリコン塗料は塗り替えのスパンを長めにできる塗料です。

その点も踏まえて費用について一覧表にまとめてみました。

 

 

塗料耐用年数㎡単価相場(3回塗り)
アクリル塗料3~8年1,000~1,800円
ウレタン塗料5~10年1,500~2,500円
シリコン塗料7~15年2,000~3500円
ラジカル塗料8~16年2,500~4,000円
フッ素塗料10~25年3,500~5,000円

 

 

シリコン塗料で塗装する場合の費用は、1㎡あたり約2,000~3,500円と他の塗料と比べて中間位の金額となっています。

しかし、耐用年数と合わせて見ると、最もコストパフォーマンスが高い塗料と言えます。

このように塗料を選ぶ際は価格だけで比べるのでなく、耐用年数も合わせて比較することで一番お得になるものを選ぶことができます。

一般的には、最安値の塗料を選ぶより、耐用年数が長めの塗料を選んだ方が、合計の塗装リフォーム回数を減らすことができ経済的になるでしょう。

 

外壁アドバイザー 大屋敷
外壁アドバイザー 大屋敷
個人的に、シリコンが選ばれているのは価格だけでなく、ひび割れ等の外部的要因のリスクがフッ素や無機と比べて抑えられて、かつ、耐用年数もそれなりにあるから無難なんだと思うよ。

 

 

 

 

さいごに

いかがでしたでしょうか。

シリコン塗料は安くもなく高くもなく、耐久性が無いわけでもなくかといって耐久性が一番高いわけでもない…。

丁度中間位置にある塗料なのです。

個人的には悩んだらコレ!的な位置付けな塗料です。
シリコン塗料はカラーバリエーションも豊富にありますが、耐久性の高い無機やフッ素等は少ないです。

 

当サイトの他の記事も参考にしていただきつつ、最適解な塗料選択をなさってください。

 

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